イケメン王子先輩と私。
ホントの気持ち。
それから数日後。授業が終わって教室で奏と話していると、放送が流れた。
《――どうも、3年1組の結城霰です》
「え、王子がなんで……!?」
霰……?
《皆に知らせたいことがある。星空雫を傷つける奴は男でも女でも許さねぇ》
「えっ、何いってるの王子は……てかなんで雫!? ……って、あれ!?」
私は知らぬ間に階段を上り、4階の放送室に向かっていた。霰っ……私やっぱり……。
《雫。俺は……、俺は》
私は放送室のドアを思いきり開け、霰の方へと走りよった。
「霰!!」
「雫!? つて、うわっ」
私は霰に抱きついた。霰……今私の気持ち伝えるから……。
「霰……! 私、霰の事が好き! 前の恋の事は気にしちゃいけないよね。……ありがとう、霰」
そう。私は前まで彼氏がいて、浮気されて見捨てられて……。男ってこういうものなんだって思って『興味ない』なんて気づかないフリしてたんだ。
「……俺も好きだ、雫。俺のそばから離れんじゃねぇよ」
「……うんっ」
「もうそろそろ授業だな。……戻るか」
私達は放送室を出て、それぞれの教室に戻った。
「――雫っ!! 凄いよ雫! あの王子と付き合うなんて! しかも『俺のそばから離れんじゃねぇよ』って……!!」
……あれ?なんで奏はそんなことまで知ってるんだろう。……あ、もしかして……。
「電源、切ってなかった……!!」
「そうだよ? まさか、気づいてなかったの?」
全校生徒と先生に知られてるって事……!?そう思っていると、霰からメールがきた。
【放課後、図書室で本の整理しろだってよ。掃除終わったら早くこいよ】
そういえば私、図書委員で霰と同じ日に当番だった。
【うん、了解。それが終わったら一緒に帰らない?】
【そうだな。じゃあまたあとでな】
私は携帯をしまってノートに写し始めた。……あぁ、やっぱり恋っていいな。霰ならアイツみたいに浮気しないよね……。――そして放課後。