一夜くんとのアヤマチ。
一夜くんと私は、確かに通常の生徒と教師の関係からは考えられないほどに親密になっている。
でもそれは、一夜くんと鶴花さんの関係には全く届かない。
だって幼なじみだもん、しょうがないじゃん。自分自身にそう言い聞かせる私がいる一方で、かたくなにそれを拒む私もいた。
もっと、一夜くんの傍にいたい。
もっと、一夜くんに好きになってもらいたい。
ドーナツを食べ、やはり少し甘すぎたのか顔をゆがめる一夜くんを見ながら、私はそんなことを思った。
「じゃあ、そろそろ帰ろっか。あんまり遅くなってもアレだしね」
先輩が立ち上がる。
「帰るわよ、一夜」
「ちょっと待ってくれって…甘すぎるだろ、これ…」
「自分で選んだんでしょ?」
「それはそうだけど…」
面倒臭そうに一夜くんが立ち上がる。
「…そうだ、雪月」
「ん?」
「これ、食うか?」
一夜くんが手に持った激甘ドーナツを鶴花さんに差し出す。
「いいけど…食べれるかな…」
鶴花さんが一口かじる。その瞬間、顔色が変わった。
「…先生、食べてみてください」
「私?」
「食べれば分かりますから」
鶴花さんに促され、一口かじる。
率直な感想を言うと、下が麻痺しそうだった。…一口で無理だ、こんなの…。
一夜くんはこういうのに強いのか、それとも味覚が薄いのか…。
そのうちのどちらかが正解だということに、私はまだ、気づかずにいた…。
でもそれは、一夜くんと鶴花さんの関係には全く届かない。
だって幼なじみだもん、しょうがないじゃん。自分自身にそう言い聞かせる私がいる一方で、かたくなにそれを拒む私もいた。
もっと、一夜くんの傍にいたい。
もっと、一夜くんに好きになってもらいたい。
ドーナツを食べ、やはり少し甘すぎたのか顔をゆがめる一夜くんを見ながら、私はそんなことを思った。
「じゃあ、そろそろ帰ろっか。あんまり遅くなってもアレだしね」
先輩が立ち上がる。
「帰るわよ、一夜」
「ちょっと待ってくれって…甘すぎるだろ、これ…」
「自分で選んだんでしょ?」
「それはそうだけど…」
面倒臭そうに一夜くんが立ち上がる。
「…そうだ、雪月」
「ん?」
「これ、食うか?」
一夜くんが手に持った激甘ドーナツを鶴花さんに差し出す。
「いいけど…食べれるかな…」
鶴花さんが一口かじる。その瞬間、顔色が変わった。
「…先生、食べてみてください」
「私?」
「食べれば分かりますから」
鶴花さんに促され、一口かじる。
率直な感想を言うと、下が麻痺しそうだった。…一口で無理だ、こんなの…。
一夜くんはこういうのに強いのか、それとも味覚が薄いのか…。
そのうちのどちらかが正解だということに、私はまだ、気づかずにいた…。