一夜くんとのアヤマチ。
「え~、今日は鴫城先生が出張ということで、代わりに私が授業をしたいと思います」
先輩から言われた教科書のページを開く。
「今日は『薬物乱用と健康』ということで…今日は十三日だから、出席番号十三番の子、教科書の文章読んでもらえる?」
「はい。…『近年、ニュースなどで報道される通り』…」
声が、割と近くで聞こえた。下を見ると、一夜くんが教科書を読んでいた。…そっか、一夜くんの出席番号って十三だったんだ…。
「『薬物にはさまざまな種類があり』…」
いつもの面倒くさがりな性格からは想像もつかないほど、一夜くんは一言一句間違えずに教科書を読んでいた。
その顔を、うっとりとした目で眺めている私がいた。
もともとイケメンな一夜くんが真剣な表情をしているため、一夜くんに恋してしまっている私にとって、それはたまらなく愛おしいものに見えた。
「…先生」
一夜くんが私を呼ぶ声で、私は我に帰った。
「ふぇ?」
突然のことで私は間抜けな声を出してしまい、それを聞いた皆がクスクスと笑う。
「読み終わりましたけど」
心ここにあらずだったために極薄になってしまった記憶をたどる。…そういえば、読んでたような、読んでなかったような…。
「えっ、あれ? そうだっけ?」
再び教室が笑いに包まれる。…もう、私のバカ…。
先輩から言われた教科書のページを開く。
「今日は『薬物乱用と健康』ということで…今日は十三日だから、出席番号十三番の子、教科書の文章読んでもらえる?」
「はい。…『近年、ニュースなどで報道される通り』…」
声が、割と近くで聞こえた。下を見ると、一夜くんが教科書を読んでいた。…そっか、一夜くんの出席番号って十三だったんだ…。
「『薬物にはさまざまな種類があり』…」
いつもの面倒くさがりな性格からは想像もつかないほど、一夜くんは一言一句間違えずに教科書を読んでいた。
その顔を、うっとりとした目で眺めている私がいた。
もともとイケメンな一夜くんが真剣な表情をしているため、一夜くんに恋してしまっている私にとって、それはたまらなく愛おしいものに見えた。
「…先生」
一夜くんが私を呼ぶ声で、私は我に帰った。
「ふぇ?」
突然のことで私は間抜けな声を出してしまい、それを聞いた皆がクスクスと笑う。
「読み終わりましたけど」
心ここにあらずだったために極薄になってしまった記憶をたどる。…そういえば、読んでたような、読んでなかったような…。
「えっ、あれ? そうだっけ?」
再び教室が笑いに包まれる。…もう、私のバカ…。