一夜くんとのアヤマチ。
その時に私が助けてあげたことで、私のことを優しい人だと思ってくれたらしい。
「…僕は」
独り言のように言葉が漏れ出て、止まる。少し考えたような間を空けてから、鵜児くんは続けた。
「僕はそう思ってるんだけど…僕のこと、どう思ってる?」
そして私に向けられた問いは、今の私にはあまりにも重く、そう簡単に答えが出せるわけがなかった。
「…ゴメン。一晩考えさせて…」
私は取ってつけたようにそう言うと、逃げるようにその場を去り、恐らく今までの最速記録で帰宅した。
「…」
家に入り、ドアにもたれかかる。
「どうしよう…」
迷っているということは、他に本命の人がいるのか、はたまた傾いてきているのか…。
「…」
スマホを取り出し、交流サイトに書き込んでみる。告白されたけど、何故か迷ってしまう私がいる、と。
「…あっ、来た…」
間もなく返信が来た。そこには、こう書かれていた。
「迷っているということは、他に本命の人がいるということだと思います。もしいなかったら、素直にうなずいていられるはずですから」
だが、二、三分後、こんなコメントも来た。
「恐らく、そのまま付き合った方がいいと思います。揺れているということは、少なくともその人に好意を抱いていると思うので…」
結局、自分で決めろということか。
「…」
しばらくドアにもたれかかったまま、私は何をすることもなかった。
「…僕は」
独り言のように言葉が漏れ出て、止まる。少し考えたような間を空けてから、鵜児くんは続けた。
「僕はそう思ってるんだけど…僕のこと、どう思ってる?」
そして私に向けられた問いは、今の私にはあまりにも重く、そう簡単に答えが出せるわけがなかった。
「…ゴメン。一晩考えさせて…」
私は取ってつけたようにそう言うと、逃げるようにその場を去り、恐らく今までの最速記録で帰宅した。
「…」
家に入り、ドアにもたれかかる。
「どうしよう…」
迷っているということは、他に本命の人がいるのか、はたまた傾いてきているのか…。
「…」
スマホを取り出し、交流サイトに書き込んでみる。告白されたけど、何故か迷ってしまう私がいる、と。
「…あっ、来た…」
間もなく返信が来た。そこには、こう書かれていた。
「迷っているということは、他に本命の人がいるということだと思います。もしいなかったら、素直にうなずいていられるはずですから」
だが、二、三分後、こんなコメントも来た。
「恐らく、そのまま付き合った方がいいと思います。揺れているということは、少なくともその人に好意を抱いていると思うので…」
結局、自分で決めろということか。
「…」
しばらくドアにもたれかかったまま、私は何をすることもなかった。