一夜くんとのアヤマチ。
「…どうしたの、雪月ちゃん?」
できる限り、笑顔でいようとした。
「…先生にも、お礼を言っておかないとって思って」
「お礼?」
「はい。…私、先生のおかげで強くなれた気がするんです」
雪月ちゃんはゆっくりと目を閉じ、そして再び開けた。
「保健委員になって、それで先生と出会って、仲良くなって…。悩みがあった時にも、日向先生っていう心強い相談相手がいてくれたから、頑張れたんです」
こんな時…先輩なら、何て答えたんだろう?
「…あっ…」
途端に先輩の顔が脳裏に浮かんだ。
先輩に合わせる顔がない。学校の方にどこまで連絡されているのかは分からないけれど…それでも、私の口から現状を伝えるには、あまりにも重すぎた。
私が養護教員として未熟だから、こんなことになるんだ。もしここに先輩がいたら、きっとこうはなっていない。適切な処置をして、症状をいくらか軽くできていたはず…。
「…うっ…!」
雪月ちゃんが顔を苦しそうにゆがめる。
「雪月ちゃん!?」
「雪月!」
息遣いも荒くなる。それでも雪月ちゃんは、力を振り絞って話を続けた。
「…今までありがとう…」
ダメだよ、雪月ちゃん。そんなこと言ったら…!
…でも、思いは届かなかった。
雪月ちゃんの目から涙が一滴流れるのと同時に、その命の灯火は消えた。
できる限り、笑顔でいようとした。
「…先生にも、お礼を言っておかないとって思って」
「お礼?」
「はい。…私、先生のおかげで強くなれた気がするんです」
雪月ちゃんはゆっくりと目を閉じ、そして再び開けた。
「保健委員になって、それで先生と出会って、仲良くなって…。悩みがあった時にも、日向先生っていう心強い相談相手がいてくれたから、頑張れたんです」
こんな時…先輩なら、何て答えたんだろう?
「…あっ…」
途端に先輩の顔が脳裏に浮かんだ。
先輩に合わせる顔がない。学校の方にどこまで連絡されているのかは分からないけれど…それでも、私の口から現状を伝えるには、あまりにも重すぎた。
私が養護教員として未熟だから、こんなことになるんだ。もしここに先輩がいたら、きっとこうはなっていない。適切な処置をして、症状をいくらか軽くできていたはず…。
「…うっ…!」
雪月ちゃんが顔を苦しそうにゆがめる。
「雪月ちゃん!?」
「雪月!」
息遣いも荒くなる。それでも雪月ちゃんは、力を振り絞って話を続けた。
「…今までありがとう…」
ダメだよ、雪月ちゃん。そんなこと言ったら…!
…でも、思いは届かなかった。
雪月ちゃんの目から涙が一滴流れるのと同時に、その命の灯火は消えた。