一夜くんとのアヤマチ。
…そうだ。
私が戦わないと。
いつまでも、一夜くんがどうにかしてくれるなんて思ってちゃいけない。
「…先ほど鵜児先生がおっしゃったことは、紛れもない事実です」
大学の同級生のことを「鵜児先生」と言うのに違和感を覚えつつも、私は口を開いた。
「ですが、全ての責任が私にある…というのは、訂正して下さい」
一夜くんと私以外、全員がざわついた。一夜くんは私の顔を見ると、少し安心したような笑顔になった。
「養護教員として、食中毒を未然に防ぐことができなかったのは本当のことです。その点については、私に責任があります」
「では…」
「ですが!」
こんな所で、話を切らせてたまるか。まだ言い足りないことが山ほどある。それに、一夜くんと私がここで負けると、何より雪月ちゃんに申し訳ない。これまでにない強い語気で、私は理事長の言葉を遮っていた
「鶴花さんは…鴫城くんや私に『ありがとう』と言っていました。怒っているそぶりも、少しもありませんでした。…私がこんなことを言うのは間違っているのかもしれませんが、私がここを去ることになるのは、鶴花さんの意志に反することになると思います」
「戯言も大概にしろ!」
「それでも教師か!」
「黙れ! 雪月の何を知ってるんだ!」
先生達の怒号が飛び交う中、私につかみかかろうとする人がいた。雪月ちゃんのお父さんだった。
周囲の先生達がすかさず取り押さえるが、それでもなお、私を罵倒する声は続いた。
「自分に非はないのに死ななければならなかった雪月のことを考えたことがあるのか!? 雪月が恨まないはずはない! 今すぐここから去れ! 二度と私の前に姿を見せるな!」
私が戦わないと。
いつまでも、一夜くんがどうにかしてくれるなんて思ってちゃいけない。
「…先ほど鵜児先生がおっしゃったことは、紛れもない事実です」
大学の同級生のことを「鵜児先生」と言うのに違和感を覚えつつも、私は口を開いた。
「ですが、全ての責任が私にある…というのは、訂正して下さい」
一夜くんと私以外、全員がざわついた。一夜くんは私の顔を見ると、少し安心したような笑顔になった。
「養護教員として、食中毒を未然に防ぐことができなかったのは本当のことです。その点については、私に責任があります」
「では…」
「ですが!」
こんな所で、話を切らせてたまるか。まだ言い足りないことが山ほどある。それに、一夜くんと私がここで負けると、何より雪月ちゃんに申し訳ない。これまでにない強い語気で、私は理事長の言葉を遮っていた
「鶴花さんは…鴫城くんや私に『ありがとう』と言っていました。怒っているそぶりも、少しもありませんでした。…私がこんなことを言うのは間違っているのかもしれませんが、私がここを去ることになるのは、鶴花さんの意志に反することになると思います」
「戯言も大概にしろ!」
「それでも教師か!」
「黙れ! 雪月の何を知ってるんだ!」
先生達の怒号が飛び交う中、私につかみかかろうとする人がいた。雪月ちゃんのお父さんだった。
周囲の先生達がすかさず取り押さえるが、それでもなお、私を罵倒する声は続いた。
「自分に非はないのに死ななければならなかった雪月のことを考えたことがあるのか!? 雪月が恨まないはずはない! 今すぐここから去れ! 二度と私の前に姿を見せるな!」