一夜くんとのアヤマチ。
「…だから私、出過ぎたことをしてしまったんです。その時に何か不安が押し寄せてきたっていうのもあって…。本当に、すみません…」
言葉を反芻する。そうだ。私がしてしまったのは、一夜の過ちというものだ。しかもそこで、とてつもなく重い責任を負わなければいけないことになってしまった。
「…そう…。一夜のこと…好きだったのね…」
先輩との視線は、合わなかった。
「母さん。…俺に全部の責任があるとは言わない。でも、両方に責任があると思う。だから…二人で決めたことなんだけど、育てようと思う」
一夜くんは本気のまなざしで、先輩を見つめた。…私よりも真剣に考えてくれているような気がして、頼りになると思うのと同時に、自分がまだまだ考えの浅い人間だということに気づいて恥ずかしくなった。
「…分かった」
先輩が立ち上がる。
「…日向ちゃんが命を大切にするのはよく知ってるから、おろすっていう選択肢が出ないのは分かってた。…二人で決めて、それなりの覚悟があるんだったら、私が介入する余地はないわね」
「先輩…」
「日向ちゃん」
合わなかった目線が、再び一つになった。
「一夜のこと…好きになってくれて、ありがとう」
「いえ、私はそんな…」
「学校からは追い出されちゃったけど…でも日向ちゃんは、私にとっても一夜にとっても、変わらず日向ちゃんだから。これからも、よろしくね」
先輩が私の後ろに歩いてきて、そして抱きしめた。嗚咽がこぼれるたびに、先輩は何度も「大丈夫」と慰めてくれた。
言葉を反芻する。そうだ。私がしてしまったのは、一夜の過ちというものだ。しかもそこで、とてつもなく重い責任を負わなければいけないことになってしまった。
「…そう…。一夜のこと…好きだったのね…」
先輩との視線は、合わなかった。
「母さん。…俺に全部の責任があるとは言わない。でも、両方に責任があると思う。だから…二人で決めたことなんだけど、育てようと思う」
一夜くんは本気のまなざしで、先輩を見つめた。…私よりも真剣に考えてくれているような気がして、頼りになると思うのと同時に、自分がまだまだ考えの浅い人間だということに気づいて恥ずかしくなった。
「…分かった」
先輩が立ち上がる。
「…日向ちゃんが命を大切にするのはよく知ってるから、おろすっていう選択肢が出ないのは分かってた。…二人で決めて、それなりの覚悟があるんだったら、私が介入する余地はないわね」
「先輩…」
「日向ちゃん」
合わなかった目線が、再び一つになった。
「一夜のこと…好きになってくれて、ありがとう」
「いえ、私はそんな…」
「学校からは追い出されちゃったけど…でも日向ちゃんは、私にとっても一夜にとっても、変わらず日向ちゃんだから。これからも、よろしくね」
先輩が私の後ろに歩いてきて、そして抱きしめた。嗚咽がこぼれるたびに、先輩は何度も「大丈夫」と慰めてくれた。