君の味に落とされて。



「あ、先輩。これお母さんからです」


ケーキの箱を渡すと、まじでいいお母さんだな…と嬉しそうだった。


「つか、お前、普段夜に出歩かないだろ」


「え、なんでわかったんですか?」


「夜の怖さを知らなそう」


夜ってそんなに怖いの…?


あたしなんか可愛くもないし、誰も狙わないと思うけどなぁ。


「まず、俺といること自体が危ないだろ」


「なんでですか?」


「朝、キスしたの忘れたのかよお前」


わ…!

忘れてた!


そう言えばそんなこともあった!


思い出した途端顔が熱くなってくる。


暗闇で見えないけど、絶対先輩は笑ってあたしが恥ずかしがるのを楽しんでる。


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