君の味に落とされて。




*****


「…―かしらね…」


「見てても避けれなそうだけどな~、こいつ」


カーテン、レール、白い天井。


あれ、あたし…?


「保健室…」


なんだか視界の下のほうに、白い何かが写る。

触ってみると、なんか鼻についてる。


「いたっ」


鼻にガーゼ…?


「あら、佐倉さん起きたのね、よかったわ。どう?頭とか痛い?」


カーテンが開いて、保健の先生が顔を出す。


ゆっくりと体を起こすと、ちょっと頭がふらっとした。


「なんか…ふらふらします。あと、鼻が痛いです…」


「そりゃあ…ボールが直撃したんだものね…」


笑わないでくださいよ先生。

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