君の味に落とされて。




結局、なぜか先輩に送ってもらうことになって、あたしは教室に荷物を取りに行くことにした。


「クラス何組?」


「あたしはE組です」


「ふ、じゃあ一緒じゃん」


「なにがですか?」


「まぁそのうちわかるでしょ」




変なの、先輩。


そうこうするうちに教室についた。


先輩は廊下で待ってる、と言って教室には入らなかった。


もう放課後の時間帯だから教室には、数人しかいない。


「唯は…部活行ったのかな」


ちら、と唯の席を見るとカバンもないし、きっとそうだろう。

唯は、実はバスケ部のマネージャーをやってる。


唯自身も中学のときはやってたけど、動くのはもういいや、とかなんとか言ってマネージャーになった。


わきに掛けていたスクバを机の上に乗せて、筆箱や予習が必要な教科だけいれていく。


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