君の味に落とされて。




「ふはっ、お気に入りってお前!」


「まぁフェイバリットってやつ?」


意味変わらないよ先輩…!


よくわからないし…!


なんか急に恥ずかしくなってきた上に、繋いでる手のひらは汗をかいてきた。


今すぐ離したいけど、握られた手はあたしの力じゃ離れそうにない。


どうしたらいいのこれ…?


「真っ赤になってるじゃんその子、かわいそーだよ玲於くん?」


「!」


すすすーっと近づいてきてニヤニヤと笑いかけてくる良介先輩。


玲於くん?なんていいながら視線はこっちだし恥ずかしいし見ないでくださいもう!


「てか、彩は帰った?」


「あー、なんか先生に呼ばれてたぞ」


「ふーん。じゃあすぐには戻ってこねぇか」


ん…、彩?


女子の名前だよね、彼女…?


だったらあたしと手繋いだりなんかしないか。


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