君の味に落とされて。
「じゃ、俺帰るわ。彩には言っといて」
「りょーかーい!じゃーな、玲於と後輩ちゃん」
にこにこしながら手を振ってくる良介先輩にお辞儀をして、また玲於先輩に引っ張られて廊下に出た。
さっきはあんなに恥ずかしくて離したかったその手を、強く握り返した。
だって…なんだか、"先輩"と"後輩"って壁を感じたから。
当たり前だけど、玲於先輩にはあたしの知らない友達がいるんだ。
なんて考えたら、寂しくなった。
最近、ほんの少し近くにいるようになっただけなのに。
よくわかんない、このキモチ。