君の味に落とされて。



「じゃあ佐倉っ、ケーキのこと頼んだ!」


にこにこの委員長にそう言われたら断れなくて、思わずうなずいてしまった。


「うぅ…」


「純菜はなにがイヤなのさ?」


決まったあとの休み時間、唯に聞かれてあたしはため息をついた。


「ケーキをみんなに食べてもらえるのは嬉しいけど…だって、メイド服着なきゃいけないんでしょ?」


「いいじゃん、純菜可愛いし、絶対似合うよ」


「もー…そういうのいらないよ…」


カフェの服はメイドってほど派手ではないから着られるけど。


想像しただけで恥ずかしい。


「まぁ大丈夫でしょ、本当に嫌だったら裏方に行けばいいんだしさ、ね?」


唯に宥められて、あたしは頷いた。


唯は大人っぽいし、メイド服とか着ても似合うんだろうなぁ。


あぁ~…、ちょっとユウウツ。


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