君の味に落とされて。



*****


あれから数日後、文化祭準備が始まった。


ケーキを出すことをお母さんたちに話したら、すっごい喜んでくれて…


評判が上がればいいわねーって、あたしと同じことを考えていた。


あとその時に、玲於先輩にカフェでバイトしないか聞いといてって言われたんだけど、

あんまり会わないんだよね…最近。


わざわざ会いに行くのはちょっとあの時でもう限界だから偶然会ったときでいいかなぁなんて思っている。


そしてあたしは今なにをしてるかと言うと、みんなでメイド服の着まわしをしている。


クラスの人で知り合いに借りられる人がいて、メイド服とスーツを10着ずつ借りることができたらしい。


「純菜~!はーい、純菜の番でーす!サイズこれでいいよね?」


うきうきテンションの唯がメイド服を持ってやってくる。


あたしはススッと後退したんだけど唯に引っ張られて、着替えてきて、と用意された更衣室に押し込まれてしまった。


「恥ずかしい…」


はぁ、とため息をついてからとりあえずスカートを下ろす。


着方が…わからない。


上から被ればいいのかな…。


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