君の味に落とされて。




唯と二人で端っこにあった机とイスを借りてメニュー作りを始める。


とりあえず画用紙をこの大きさに切ろう…なんて平静を装うけど、まだ心臓はドキドキしてる。


「ねぇ純菜」


「なに?…あ、その糊貸して」


「はいよ。…ねえ、於先輩に、惚れないの?」


「はぇ!?」


じっ、とあたしを見つめる唯の目は、本気のやつ。


「だってさ、あんなに甘々な攻撃されてるし…びっくりしたわ」


「あれは…からかってるだけでしょ」


えぇと…ブルーベリーレアチーズはいくらだっけな…


「それにしたって好きになってもおかしくないでしょ?」


「…わかんない」


先輩にドキドキするのは、カッコいいからじゃないのかな。


したことないことを、先輩がしてくるからじゃないのかな。


好きって、どういうこと?


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