君の味に落とされて。
「じゃあ純菜、両親は好き?」
「へ?そりゃもちろん。ケーキも好きだし…」
「じゃあ玲於先輩は?」
「…」
意地悪な質問だよ、それは。
「玲於先輩は、好きだけど…、うー!わかんないよ!」
「まぁ…無理に言わせてもしょうがないしなぁ…。そのうち気づくか」
唯は諦めたように溜め息をついて、ちょっと微笑んだ。
「玲於先輩も大変だなー…こりゃ…」
「なんか言った?」
「なーんにも。あ、このケーキの絵かく!」
ペンをがさがさと漁って取ると、画用紙にケーキの絵を描いていく唯。
まぁ絵は、上手いから任せよう。