君の味に落とされて。
お母さんに出すように勧められたケーキを委員長に相談したところ、値段とかも考慮して、出すのは三種類。
シフォンケーキとチョコケーキとブルーベリーレアチーズケーキ。
定番の物と、委員長が食べたいと言ったブルーベリーレアチーズケーキに決まった。
委員長が食べたいものでいいのかなぁ…なんて思ったけど、みんなに聞いてもまとまらないだろうし。
唯がペンで絵を描いている脇で、あたしはおしゃれな字の書き方をぐるぐると考えている。
いるんだけど…なぜか、玲於先輩のことがちらついて、なんにも思い付かない。
「あー…バイトのこと聞き忘れた…」
うあ…ていうか、なんで玲於先輩のこと考えてるの…メニューのデザイン考えてたのに。
「うー…」
机に突っ伏してだらけていると、唯になにをぶつぶつ言ってるのよ、と言われた。
「あ、ねぇねぇ、佐倉さん、朝比奈さん!どっちかミスコンに出てくれないっ?」
そんな声が聞こえて顔を上げると、確か文化祭実行委員の中里さんがいた。
「ミスコン?」
起き上がってそう聞くと、うんうんっと中里さんはうなずいた。