君の味に落とされて。




お母さんに出すように勧められたケーキを委員長に相談したところ、値段とかも考慮して、出すのは三種類。


シフォンケーキとチョコケーキとブルーベリーレアチーズケーキ。


定番の物と、委員長が食べたいと言ったブルーベリーレアチーズケーキに決まった。


委員長が食べたいものでいいのかなぁ…なんて思ったけど、みんなに聞いてもまとまらないだろうし。


唯がペンで絵を描いている脇で、あたしはおしゃれな字の書き方をぐるぐると考えている。


いるんだけど…なぜか、玲於先輩のことがちらついて、なんにも思い付かない。


「あー…バイトのこと聞き忘れた…」


うあ…ていうか、なんで玲於先輩のこと考えてるの…メニューのデザイン考えてたのに。


「うー…」


机に突っ伏してだらけていると、唯になにをぶつぶつ言ってるのよ、と言われた。


「あ、ねぇねぇ、佐倉さん、朝比奈さん!どっちかミスコンに出てくれないっ?」


そんな声が聞こえて顔を上げると、確か文化祭実行委員の中里さんがいた。


「ミスコン?」


起き上がってそう聞くと、うんうんっと中里さんはうなずいた。


< 58 / 90 >

この作品をシェア

pagetop