君の味に落とされて。



お客さんとクラスメイトの視線を感じる。


「こ、こんにちわ…」


とりあえず二人があたしのところに来たのでそう言っておく。


変な誤解されたらどうするんですか良介先輩…。


元はと言えば、そんなこと言った玲於先輩のせいかもしれないけど…


「可愛いじゃん純菜ちゃん、だっけ?玲於がフェイバリットなのも頷ける…」


「あはは…」


「良介は見んの禁止。視線がアヤシイんだよお前は」


「はぁあ~?お前だって純菜ちゃんかわ…っぐぇっ…」


突然すごい勢いで右手を動かし良介先輩の首を絞める玲於先輩。


「あっちのテーブルいるから、ケーキ持ってきて。これとこれ」


玲於先輩は良介先輩の首を片手で掴んだまま、シフォンケーキとチーズケーキを指差して空いたテーブルに歩いていった。


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