君の味に落とされて。




*****


文化祭1日目も終わり、あたしは生徒がほぼ帰った人気のない廊下を歩いていた。


あのあとは唯とたくさん食べて回って、なんだかイヤだった気持ちを紛らわした。


「ちょっと食べ過ぎたな…」


あたしもこのケーキの箱を運んだら、帰ろう。


唯はバスケ部のなにかをやってるらしくて、まだ校内にいるかわからないけど後で連絡してみようかな。


「ふぅ…」


教室に置いてある文化祭のために運びいれた冷蔵庫に最後のケーキの箱を入れた。


ふと頭に浮かぶのは、彩先輩と玲於先輩。


「あぁ~…」


お似合いなのに…あぁ~…、なんでこんなにイヤなんだろう…。


しかも…キス、したのかな。



冷蔵庫の前でうずくまってなんだか色々考えていると、コンコン、となにかを叩く音がした。


顔をあげるとドアから顔を覗かせる玲於先輩がいた。


「なにそんなとこうずくまってんの?」


「ななな、なんでもないです」



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