君の味に落とされて。
*2日目*
「あぁぁぁゆゆゆゆ唯…!始まっちゃう…!」
「とりあえず振動やめなさい」
唯に肩を押さえられてもまだガタガタと揺れるあたし。
いよいよこれから、文化祭2日目のメインイベント"ミス・ミスター萩高コンテスト"が始まる。
コンテストは、グラウンド付近に特設ステージが出来て、そこで行われる。
「森くんが来ないんだけど…どこ行ったんだろ」
「あぁ~、確かシフトが終わったら速攻来るって」
「そうなんだ、忙しいね…」
ああぁあ…緊張する…
最初の振りはこうで…ここで手を繋いで…
唯の手をとって勝手に練習していると、森くんが息を切らして走ってきた。
「おまたせ純菜ちゃん…!よかった間に合って!写真撮ってたら遅くなっちゃったよ…」
「お疲れ森くん。大丈夫?」
汗がすごいけど…教室から走ってきたのかな。
あたしはポケットからハンカチを取り出して森くんに渡した。
「よかったら使って!」
「あ、ありがと…。ふぅ…じゃあ少し練習する?」
「そうだね」