君の味に落とされて。
「じゃ、あたしは観客席にいるから。頑張ってよ純菜!」
「ありがと!」
唯に手を振って、あたしと森くんはステージ裏の端に移動した。
「じゃあとりあえず最初から…」
森くんの鼻唄に合わせてステップを踏む。
曲自体は4~5分くらいのものなんだけど、結構転びそうになるぐらいのターンがあったりするんだよね。
「ここで、ターン!」
「わっ」
くるんっと腕を引かれて回されて、思わず森くんに寄りかかってしまった。
「ご、ごめんね!」
「大丈夫大丈夫、もし本番失敗しても俺がカバーするから安心して」
森くんに柔らかい笑みで言われて、少し安心した。
でも、失敗しないのが一番だもんね!
「もう1回ここの振りやってもいい?」
「よし、じゃあここから…」
5分ぐらい練習していると、周りに出場者らしき人がたくさん集まって賑やかになってきた。
各クラスのイケメンや可愛い子がいっぱい。
ミスコンには、あの白雪姫役の人…出るのかな?
あの人がいたら勝ち目なんてないなぁ。