君の味に落とされて。



「じゃ、あたしは観客席にいるから。頑張ってよ純菜!」


「ありがと!」


唯に手を振って、あたしと森くんはステージ裏の端に移動した。


「じゃあとりあえず最初から…」


森くんの鼻唄に合わせてステップを踏む。


曲自体は4~5分くらいのものなんだけど、結構転びそうになるぐらいのターンがあったりするんだよね。



「ここで、ターン!」


「わっ」


くるんっと腕を引かれて回されて、思わず森くんに寄りかかってしまった。


「ご、ごめんね!」


「大丈夫大丈夫、もし本番失敗しても俺がカバーするから安心して」


森くんに柔らかい笑みで言われて、少し安心した。


でも、失敗しないのが一番だもんね!


「もう1回ここの振りやってもいい?」


「よし、じゃあここから…」


5分ぐらい練習していると、周りに出場者らしき人がたくさん集まって賑やかになってきた。


各クラスのイケメンや可愛い子がいっぱい。


ミスコンには、あの白雪姫役の人…出るのかな?


あの人がいたら勝ち目なんてないなぁ。


< 78 / 90 >

この作品をシェア

pagetop