君の味に落とされて。
そうこうするうちに、着々とコンテストは進行していく。
漫才のほかには、モノマネとかあたし達と同じダンスの組もいた。
自分のギターを持ってきてプチライブのようにしてる組もいて、会場は盛り上がりもいい感じ。
可愛いしカッコいいのにモノマネができる面白さがあるなんて、本当にすごいなって尊敬しちゃった。
「エントリーナンバー6番!2年F組でーす、どうぞ!」
「いよいよ次だね…」
緊張した面持ちの森くんに、あたしまでまた緊張する。
「うん…頑張ろうね」
あたしたちの前の組は同学年。
一体なにをやるんだろ…。
「2Fの、佐伯 りりと、」
「西村 尚です!えーっと、佐伯が空手を習ってるので、みなさんに技を披露したいと思います!」
おおーっという歓声が聞こえてくる。
空手…って板割ったりできるやつ?
裏からじゃ見えないけど、見てみたかったな。
後で唯にどんなだったか聞いてみよう。