君の味に落とされて。
ステージ裏に帰ってきて二人してはぁっ、と息を吐き出した。
「ほんとにごめんね森くん!重かったでしょあたし!」
両手を合わせて頭も下げて謝った。
「そんな、全然大丈夫だよ。それより、腕引っ張っちゃって大丈夫だった?」
「全然平気!ありがとう、森くんのおかげで成功できたようなものだね!」
「純菜ちゃんだって頑張ったんだから、そんなこと言わないで、ほら」
森くんにぐーを胸の前に出されて、あたしも笑顔でぐーをトンっとぶつけた。
「あ~、もう達成感あるし、優勝とかどうでもいいかな」
「森くんはカッコいいから優勝狙えるよ~!あたし、出場者の中で一番森くんがいいと思うな」
あたしがそういうと、森くんはちょっとポカン、として次の瞬間片手で顔を隠して顔を背けられてしまった。
「も、森くん?」
「…そーいうのさぁ…、あんまり考えないで言わない方がいいよ」
森くん、顔赤い?
あたし、なんか変なこと言った?