君だけに贈るラブソング
「行くところないなら、ウチに来れば?」
「……え?」
そしてしまったギターケースを抱えながら彼がそんなことを言い出すから、思わずそんな間抜けな声が出てしまった。
なに言ってんの、この人……。
「そんな、名前も年も知らないのに……」
「小林春人。16才」
「…………」
本気で、どうかしてる。
頭おかしいんじゃないの……?
「そっちは?」
「……リオだけど。春田莉緒。14才」
「リオ。他に問題は?」
いやいや、たくさんあり過ぎるんですけどッ!
「きょ、今日出会ったばっかだし……!それに春人だって家族に許可取んなきゃダメでしょ……っ?」
「一人暮らししてるから大丈夫」
「……はい?」
え、春人16才だよね?
どうやって一人暮らししてんのさ。
「俺、御曹子だから。自分の稼ぎもあるし、放任されてるから自由もある。他に問題ないならもう行こう。寒くて俺死んじゃう」