君だけに贈るラブソング
……なんか、ひとつひとつの仕草が計算し尽くされたみたいにサマになるね。
「ん」
「ありがとう」
目の前に置かれたココアから温かそうな湯気が出ている。
そのカップに触れるとかじかんでいた指先がジーンとした。
……あったかい。
「ここの家にあるモノは自由に使っていいから」
「……うん」
「とりあえずシャワー浴びて来たら?カラダ冷えてるでしょ?」
「ありがとう……」
うながされるままに私はお風呂場へと向かった。
……襲われたらどうしよう、とか。
そんな不安が一切ないわけじゃない。
だけど。
『天才だな』
そう言った時の春人の目は、童心そのものだった。