君だけに贈るラブソング
目の前に置かれたのは銀色の鍵。
まさか、これって……。
「ないと不便でしょ」
「う、うん……」
合鍵だよね、これって。
なんというか……
大人の響きがして、ソワソワしちゃう。
ただ、鍵をもらっただけなのに。
でも……嬉しい、かも。
ここは、莉緒の家なんだよって、
ここにいていいんだよって、言われてるみたい。
「ありがとう、春人」
「……どういたしまして」
「今日帰りに荷物取りに行ってくるね」
「……莉緒の学校って昨日の駅から近いとこにある学校だよね?」
「うん、そうだけど……?」
春人の伏し目がちな瞳を真っ直ぐ見る。
「迎えに行くから」
「えっ」
春人が、私の学校に……?