君だけに贈るラブソング
バッキバキとまでは言わないけど、お腹に腹筋のような線が軽く入っていた。
そして掛け布団の中に入ると着替え終わった春人が部屋の電気を消して同じように中に入ってくる。
……こうしていると兄妹みたいだ。
「……なにニヤけてんの」
「べっつにぃ〜」
「ふーん?」
真っ暗な部屋。
ベッドの上で向かい合わせで見つめ合いながら小声で話すと、なぜだかワクワクした。
「ねぇ、春人」
「ん?」
「今度春人が作った歌を聴かせて」
「……ダメだよ」
どうして?
どうして、ダメなの?
「俺の曲は、俺のじゃないから」
どういう意味……?
そう思ったけど春人が「もうおやすみ」って目をつむってしまったから、私も聞くのをやめた。
……春人のこと、知りたいなぁ。
私のこと助けてくれた人だから。