君だけに贈るラブソング
・進路
部屋のカーテンを開けると朝の眩しい日差しが部屋に舞い込む。
さすがは高層マンションの最上階といったような景色にもすっかり見慣れてしまった。
夜景は別格だけど、朝からの眺めも悪くない。
春人と生活をはじめて2ヶ月が経った。
季節はすっかり春。
セーラー服に着替えて、それが汚れないようにエプロンをつけた私。
「春人、起きて!朝だよ!」
「……やだ。まだ寝る」
「ダメです〜!」
駄々をこねるように布団を抱きしめて離さない春人にため息を吐く。
春人は朝が大の苦手で、毎日起こすのに一苦労。
いつの間にか私が家事全般をこなすようになった。