君だけに贈るラブソング
「……もぉー」
ベッドにうなだれて、スヤスヤ眠る春人を呆れた眼差しで見つめる。
気持ち良さそうに寝やがって。
私だってまだ寝てたいのにぃ〜!
「春人くーん」
「んー」
サラサラな春人の髪の毛に触れると心が穏やかになる。
起こすのを諦めてリビングに向かう。
今日も春人のためにがんばってお弁当もつくったんだ。
わざとお弁当のおかずを多く作って、朝ごはんのおかずにもなるようにしてね。
ふっ、我ながら良い嫁になると思うんだ……!
結婚できるかは、別として。
「……はよ」
「やっと起きたか」
寝ぼけた様子で起きて来た春人に温かいブラックコーヒーを差し出す。
それを「ん……」と、眠そうに受け取る彼。
春人との共同生活は、すごく充実したものだった。