君だけに贈るラブソング
少しずつお姉ちゃんが亡くなったショックも軽減されて行ってる。
それは間違いなく春人がそばにいてくれるから。
そしてふたりで大好きな音楽を聴き、歌っているから。
ふたりの間にはいつも音楽があって、あるのが必然で当たり前で。
最近ギターを春人から習いはじめた。
『やっぱり莉緒は音楽の才能がある』
春人はそう言って笑ってた。
春人が本当に嬉しそうに笑うから、私もそれに応えたくなって頑張れる。
春人がいるから、私は今生きていられる。
そう言っても過言じゃない。
「今日のごはんはハンバーグだからね〜」
「うん」
ふたりで家を出た。
途中まで同じ道だからいつもそうしている。
そっけない返事に頬を膨らませても、春人はあくびして知らんぷり。
でもたまに見せてくれる笑顔とか、好きなんだよね。
これがギャップっていうやつなのかな?
「春人、今日も帰ったらギター教えてね」
「うん」
「じゃあね!」
「莉緒」