嵯峨野夢譚(さがのむたん)

嵯峨野夢譚111

中の君は昨日そんなことがあったのでお召し物は
すべてお着換えになっておられます。

心の内も開き直っていつになく匂宮にお甘えになります。
匂宮も御無沙汰を申し訳なく思っています。

ところが薫の君の移り香がたいそう深くしみついています。
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