嵯峨野夢譚(さがのむたん)

嵯峨野夢譚114

それほどまでに、と
中の君はお思いになり。

「わかりました。こちらに引き取るようにいたしますので、
そのうちにお目にかかることになるでしょう」

薫の君はもう上の空です。それからは宇治のお堂の建築に精を出され、
女二宮のお輿入れも適当になされ、
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