嵯峨野夢譚(さがのむたん)

嵯峨野夢譚126

川向うのお屋敷へと小雪舞う中、匂う宮と浮舟は
舟でこぎだします。

「橘の 小島の色は かはらじを
    この浮舟ぞ ゆくへしられぬ」

まる二日の間お二人は誰にも邪魔されずに愛の限りを
尽くされましたご様子です。
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