嵯峨野夢譚(さがのむたん)

嵯峨野夢譚140

そう言って浮舟は奥へと入ってしまわれました。
落飾された肩までの髪もわびしく、その後ろ姿は
単衣の法衣の中にわずかに震えているようでした。

天空で老いたる源氏と柏木が話しています。

「この後、薫はすごすごと引き返す。ほかに男が
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