嵯峨野夢譚(さがのむたん)

嵯峨野夢譚144

「まさにその通り。伝教大師も末法はなはだ近きにありと憧れて
おられた。その末法ももうすぐじゃ。ははははははは」

老いたる源氏の笑い声が天空に遠く響き渡りました。
「さあ、嵯峨野に帰ろうか」
「そうですね」
怨霊のはずの二人は仲良く空をかけて嵯峨野に向かいました。
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