嵯峨野夢譚(さがのむたん)

嵯峨野夢譚50

しばし安らかな沈黙が流れます。老いたる源氏はこの至福を
じっと味わいかみしめているようです。

「では、親父殿そろそろ・・・・親父殿、親父殿!親父殿!!」
その声に惟光と息子夫婦が走りこんで来ます。式部は青ざめて立ち
すくんでいます。
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