嵯峨野夢譚(さがのむたん)

嵯峨野夢譚77

紫の上は軽蔑のまなざしで二人を見下ろしています。

しかしその顔はよく見ると能面こおもてのようです。
「なぜに殿方はそのように争われになるのですか?」
神妙に二人はうなだれています。ふたりの
額からは汗のしずくがした垂れ落ちています。
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