『笑って?』『大丈夫…一人じゃないよ』
初めまして亜香里です
……緊張する……
「久しぶりだね…亜香里」
「うっうん久しぶり純」
「まさか会えると思わなかった」
「私も」
「彼氏…できた?」
「ううん」
「そっか」
「やっぱり無理?」
「何が?」
「戻ってくるの」
「もう少しで戻れそう」
「そっか」
「あのさ、本当にいいの?」
「何が?」
「いや、あの、ほら、
学校に戻ってくるまで
俺とは付き合わないって
もし、学校に戻ったら
俺と付き合うことになるけど」
「よくなかったら
そんな恥ずかしいこと言わない」
「そっか、夢じゃないんだ」
「ここで好きな人できたの?」
「俺はずっと亜香里が好きだよ」
「そっか~良かった」
「俺不安だった」
「私も」
「やっと」
「付き合えるね」
______________
亜香里~
話終わったよ
二人で遊んでて
くれないかな?
え?何で?
用事できた
ごめん(´・ω・`)
分かった~
明日の朝
迎えに行くから
了解
_____________
「どっか行く?」
「うん!」
気をつかってくれたのかな?
ここ隣の隣の県だし
用事なんて
こんないいタイミングで……
よく考えたら私何も知らないや
梨琉のこと…
家も家族も誕生日も
私が知ってるのは猫が好きで
いつも笑ってて甘いのが大好きで
頭が良くてスポーツもできて
いつも学年トップで
時々ドジで怒ったら怖くて
だけど優しくてお人好しで
なんでも一人で抱えて
一人で苦しんで
何も教えてくれなくて
『頼ってほしい』
『信じないと何も始まらない』
『一人で苦しんだって
もっとつらいでしょ?』
『悲しいなら悔しいなら泣きたいなら
いつだってこの胸を貸すよ?』
『大丈夫…一人じゃないよ?』
『だから、笑って?
私の大好きな笑顔で…ね?』
梨琉は、苦しんでる人達に
いつも言ってた
それでいろんな人が救われた
だけど
それを言った当の本人が
なにかを抱えてる
聞きたくても
聞いてほしくないって
オーラがあって
聞いてもいつものように笑って
はぐらかすだけだった
ねぇ梨琉私さ
普通の友達が
知ってることしか知らないよ?
『親友だよ~』って言ってくれるけど
何も教えてくれないじゃん
こんなんで親友なんて
言えるの?
本当に梨琉は親友だって
思ってくれてる?
ねぇ梨琉教えて?