シェリーに捧ぐ
「由梨ちゃんどうする?今日も乗っていくだろ?」
そう声をかけて、車の鍵を指で回せば瞳を煌めかせて「勿論ですー!」との解答。
資料を簡単に纏めてファイルに閉じて鞄に入れ、そそくさと帰宅準備を終わらせ2人仲良く「お疲れさまです」と声をかけて事務所を後にする。
それは毎度の光景で回りは俺と彼女はいつだってどこでも一緒だから、先輩後輩の垣根を越え、公私共のパートナーだと認定されているに違いないだろう。誰も口には出さないが、ごくたまに少々お節介の気がある上司には「泣かせるんじゃないぞ」なんて突っ込まれたりもするけれど。