~Lion Kiss~
次第に心拍が上がって、痛いくらい胸が苦しい。

そんな私を來也が真っ直ぐに見つめた。

何故か顔色が悪く、額には汗が浮き出ている。

「マヒル、愛してるよ」

なに、なんなの。

そんな言い方、普段はしないのに。

嫌な予感ばっかする。

來也の妙な息遣いが私の不安を掻き立てた。

「來也、なんなの?どうしたの。何かあったの」

その瞬間、信じられない言葉が私の耳に流れた。

「…………刺したの、わたしが」

サシタノ、ワタシガ
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