~Lion Kiss~
「來也、本当にごめんなさい」

小刻みに震える恵美理さんを見て、來也は首を振った。

「恵美理、悪かった。お前の気持ちに答えられなくて。お前が心までの関係を望んでいるなんて分かってたら、お前を誘ったりしなかった。気付いてやれなくてごめん」

恵美理さんは更に涙を流した。

「いつか振り向いてもらえるって思ってたの。でも、やっと分かった、自分の愚かさを。ルールを破ったのは私。所詮、セフレだったのに、心を求めた私が約束を破っただけ。來也は悪くない」

恵美理さんは続けた。

「藤吉さん」

私は恵美理さんを見つめて小さくはいと返事をした。

「來也があなたを私のスペアにしてるなんて言ってごめんなさい。私、本当に最悪な女よね。
……もう、お二人の邪魔はしません。こんな大変な事をしてしまって、本当にごめんなさい」
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