~Lion Kiss~
「……いいの?」

治人さんはしっかりと頷いた。

「勿論。さあ、彼のところへ行こう。車まで連れていかないと」

治人さんは少しだけ笑った。

***

「來也……?」

オフィスに戻り、社長室のドアを小さくノックしながら開けると、來也は少し顔を起こした。

それから私を見た後、彼は後ろにいた治人さんに視線を移して眼を見開いた。

「相澤」

先に口を開いたのは治人さんだった。

來也は驚きの表情のまま、視線を私に移した。

そりゃあ驚くに決まっている。
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