First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
その怒りの矛先がいろは、君に向かうとわかった僕はとっさに君を守らなくては、そう思った。

あきはは言った。

「私よりいろはを選ぶなら、私はハルユキ、あなただけじゃなくいろはも絶対に許さないから」

あきはの考えそうなことだな、と妙に冷静な目で見ている自分が怖い気がした。

「何をするつもりか知らないけど、いろはを傷つけたら俺が許さない」

「そんなに大切ないろはを守りたいの?」

「ああ」

「じゃあ、ハルユキだって馬鹿じゃないんだからわかるわよね」

「何が言いたい?」

「私を裏切るなら、どんな手段を使ってでも、いろはを傷つけてやるわ」
「何考えてる。妹だろ」
「さぁ、何を考えているのかしらね。ハルユキだって教えてくれないじゃない」

「………」

「もし、いろはを傷つけたくないのなら、ここで誓って。もういろはとは接触しない、って」

「馬鹿げてる、なんの権利があって…」

「いろはを愛してるならできるはずよ」

「…っ…!!」

僕は返す言葉を失った。
血のつながった妹をここまで傷つけられる、あきはの異常さに。

僕が黙っていると、あきはは続けた。
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