First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
「ハルユキ、あなたはどっちを選ぶの?賢いあなたなら間違った選択はしないはずだけど」

「最低だな」

「最低な女だって知ってて近づいたんでしょ。同じじゃない」

少し間を置いてから、僕は答えた。

「わかった、誓うよ。もういろはには近づかない。その代わり、絶対にもう傷つけたりするなよ」
「あなたは口がうまいから、誓いを形にして見せてよ」

「なんだと」

「今、ここで私を抱いてくれたら、約束してもいいわ」

「……」

「できないなら、私も約束を守るつもりはないわ」

「…わかったよ」


僕はあきはを抱いた。

傷つけばいい、こんな女。

体を重ねるたびにあきはに嫌悪感しかわいてこなかった。

でも僕はそうしていろは、君を裏切ってしまったんだ。


最初は耐えられると思っていた。

ただ、話せないだけだ。
ただ、抱きしめてやれないだけだ。

ただ、キスしてやれないだけだ。

ただ、……何だ?


僕はこのことを君に伝えるかどうか迷った。

君が傷つくことは目に見えていたし、きっと、僕自身傷ついたのだと思う。

でももう君を失うなんて僕には耐えられないんだ。

君のそばで、笑顔を見ていたい。
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