First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
春雪の口はそう動いていた。


夏の桜。

ずっと散ることのない、永遠の桜。

永久に、私の想いを叫び続けて。

祈りを、そして願いを、どうか春雪に届けて。

私は春雪の視線をずっと捕らえたまま、静かにうなずいた。


梅雨の到来を告げる、雷鳴が遠くで鳴り響いていた。

もうすぐ、雨の降る季節。

それでも私の心は変わらないよ。

そんな思いで胸がいっぱいだった。
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