First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
Chap♪7 新しい出会い
梅雨が明けたのは、夏休みに入る直前だった。

蒸し暑い空気が夏をつれてきたような感じだった。

私は紅と二人で夏休みの計画を立てていた。

アルバイトのない日に、海に行こうということになったのだ。

紅の和菓子屋さんのアルバイトの休みの日と私のクリーニング屋の休みがなかなかかみ合わず、それでも2、3日は一緒に遊べる日があった。

春雪はあきは姉ちゃんと1週間、海外に旅行に行く。

それがとても悔しくて、悲しくて。

でも私は春雪を信じているから、大丈夫、と自分に言い聞かせた。


夏休みを目前に控えたファミリーレストランは制服を着た高校生でいっぱいだった。

私と紅は日替わりランチを注文して、ランチをしながら計画を立てることにした。

「ねぇ、私、いつも思ってることがあるんだけど」

「何を」

「どうしてお子様ランチを大人が注文したらいけないのかな」

「ああ、なんかお子様ランチって材料費がかかる割に儲からないんだって」

「へぇ、そうなんだ」

「だから大人は注文できないみたいだよ」

「でもさ、なんかチキンライスに旗とか立ってると、『俺はこの山を制覇した』っていう感じがして私はすごくうらやましいんだけど」
< 120 / 162 >

この作品をシェア

pagetop