First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
「あの、ご一緒してもいいですか」

ピアス君は見た目からは考えられないほど、礼儀正しかった。

私と紅は顔を見合わせ、視線で別にいいよね、と確認しあうと、

「いいですよ、別に」

ピアス君は満面の笑みで、

「ありがとう」

と言い、私の隣に腰を下ろした。

メガネ君も紅の隣に腰を下ろす。

ピアス君からは整髪料の甘い匂いがした。


ピアス君とメガネ君は店員に注文をすると、じゃ、と言ってから、

「突然仲間に入れてもらっちゃって悪いね」

「いいよ、別に。きっとこれも何かの縁でしょ」
「じゃあさ、お互い自己紹介しようよ」

「自己紹介?」

私が尋ねると、ピアス君は少年のような笑顔で、
「ああ、お約束の自己紹介」

「なんか合コンしてるみたいじゃない?」

「いいじゃん。じゃあ最初は俺から」

ピアス君は全員の顔を見渡すと、

「俺、有吉孝太。コータでいいから」

「高校はどこ?」

「青葉高校の一年」

紅は驚いたように言った。

「青葉なの?!超頭いいじゃん。しかも年下だし」

「えっ、そうなの??」
「うん。私たち、霧生高校の二年なんだ。馬鹿学校」
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