First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
「そうだ、こちら、私の彼のいとこで、真咲さんていうの。耳は聞こえるんだけど、言葉が不自由なの」

「そうなんだ、はじめまして。コータです。でも俺たちの音楽は聞こえるんですよね」

真咲さんはにこっと微笑み、頭を縦に振った。

「よかった。俺たちの伝えたいもの、伝わってたらもっと嬉しいですけどね」


Uta-Himeの席に行くと、コータは私たちにティアさんや他のメンバーを紹介してくれた。

ティアさんは目が緑色をしていて、白いワンピースにその緑がとてもよく映えていた。

真咲さんと私はすぐにティアさんと打ち解けた。
ティアさんは想像していたよりも人懐っこい人で、笑顔の可愛い人だった。

見た感じは20代半ばくらいかな、と思っていたら、

「ティアはこう見えてもまだ21なんだよ」

とコータが言ったので、私も真咲さんもびっくりしてしまった。

それから4人で雑談して、私たちはメールアドレスを交換した。

今晩、打ち上げがあるから、是非、私たちにも来て欲しいと言ってくれた。

私たちは迷いもせず、笑顔で行く、と答えた。
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