First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
涙声だし、鼻水も出てきて、もしもしがもひもひになってしまった。
ぐすぐす鼻を鳴らしていると、電話の向こうで、あの声がした。
「いろは?」
そう、私の大好きな、愛しい人の声。
柔らかくて、全てを包んでくれる、愛する春雪の声だった。
「ハル…」
「いろは、大丈夫か!?あまりに雷がひどいから電話してみたんだけど」
「ハル、怖いよ。私、雷苦手なの…」
「お母さんとお父さんは」
「私以外の4人は舞台見に行っちゃって、留守なの」
「くそっ、なんでいろはだけを置いて…」
春雪が珍しく声を荒げたので、私は少し驚いてしまった。
「じゃあ、今は誰も家にいないのか」
「…怖いよ、ハル。助けてよ…」
「わかった。今からいろはの家に行くから。静かに毛布でもかぶって待ってて」
私は受話器の前で何度も頭を縦に振った。
こくっ、こくっ。
頭が振れるたび、涙が溢れた。
ハル、やっぱりハルは優しいね。
私が辛いときはいつも気づいて手を差し伸べてくれる。
「じゃあ、電話切るから。急いで駆けつける」
「ん…」
電話がぷつっと切れた。
雷鳴は暗闇の間を光とともに切り裂いていく。
ぐすぐす鼻を鳴らしていると、電話の向こうで、あの声がした。
「いろは?」
そう、私の大好きな、愛しい人の声。
柔らかくて、全てを包んでくれる、愛する春雪の声だった。
「ハル…」
「いろは、大丈夫か!?あまりに雷がひどいから電話してみたんだけど」
「ハル、怖いよ。私、雷苦手なの…」
「お母さんとお父さんは」
「私以外の4人は舞台見に行っちゃって、留守なの」
「くそっ、なんでいろはだけを置いて…」
春雪が珍しく声を荒げたので、私は少し驚いてしまった。
「じゃあ、今は誰も家にいないのか」
「…怖いよ、ハル。助けてよ…」
「わかった。今からいろはの家に行くから。静かに毛布でもかぶって待ってて」
私は受話器の前で何度も頭を縦に振った。
こくっ、こくっ。
頭が振れるたび、涙が溢れた。
ハル、やっぱりハルは優しいね。
私が辛いときはいつも気づいて手を差し伸べてくれる。
「じゃあ、電話切るから。急いで駆けつける」
「ん…」
電話がぷつっと切れた。
雷鳴は暗闇の間を光とともに切り裂いていく。