First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜
そこへ制服姿の春雪が現れた。

「おー、いろは。今日は可愛いスカートはいてんな」

えへっ。

春雪はいつも誉めてくれる。

やっぱり、優しいね。


春雪がバイトの制服から学校の制服に着替えて出てきた。

「さ、帰りながら話すか」

春雪が私の頭を2回、ぽんぽんと叩いた。

それだけで、すごく嬉しい。

私は今日先生からきいた話をした。

春雪は自分のことのように喜んでくれたんだ。

「よし、じゃあお祝いに、おもちゃ買ってやるよ」

もう、子供扱いして。

私は少しすねる。

そりゃ、色気も胸もなんにもないけど、私だって立派な女性なんだよ?

それに、今は恋をしてる、一人の女性。

「なんだ、気に入らないのか。じゃあ何がいい?」

「うーん、じゃあピアス買って!!うんと大人っぽいやつ!!」

「わかった、今度買ってくるから。もうちょっと我慢な」

またにこって笑って頭をくしゃくしゃにする。

春雪、大好きだよ。

本当に、本当に大好き。
こんな気持ち、初めてだよ…。


8月24日 晴れ

今日は春雪にいい報告が出来た。

春雪は笑ってピアスを買ってくれる、と言った。
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